ケーソンとは、鉄筋コンクリートで作った大きな箱のことで、波を防ぐ防波堤や船を停泊させるための岸壁として使用しています。
ケーソン岸壁・防波堤築造技術の概要
ケーソン岸壁・防波堤築造は一般的に、基礎工、本体工、被覆・根固(ねがため)工、上部工の順で施工されます。近年の施工技術やICT技術の進歩により、効率的に、精度よく、安全に築造できるようになりました。
基礎は、ガット船で搬入した石材を施工位置に投入し、潜水士により不陸を整え平らにします。水中バックホウやジャイアントタンパー工法の登場により、今まで潜水士が人力で捨石を移動させていた作業が機械的に施工可能となりました。
ケーソン据付は、海上に浮上、運搬したケーソンを起重機船等で基礎捨石上に着底させる作業ですが、ケーソンの据付姿勢を自動制御する施工支援システムが活躍しています。
被覆・根固ブロックはて、防波堤の土台となっている基礎捨石が激しい波の勢いで削り取られたり、流出してしまうのを防止しています。ブロックを据付けるためのクレーンに、据付けを支援するシステムを取り入れることで、効率よく施工することが可能です。
施工フロー
1.基礎工(基礎捨石投入・捨石均し)
2.本体工(ケーソン曳航、据付、中詰投入、蓋コンクリート打設)
3.被覆・根固工(根固ブロック・被覆ブロック据付、被覆石投入・均し)
4.上部工(型枠組立、鉄筋組立、コンクリート打設)
設置したケーソン上部に型枠を組立、コンクリートをミキサー船で打設します。
ケーソン岸壁・防波堤築造で使用した自社技術

ケーソン自動注水制御システム
ケーソンマス内の水位を自動計測し、注水ポンプを自動制御することでケーソン姿勢を制御するシステムです。

水中バックホウ・ビッグクラブ
潜水士が人力で行ってきた水中での均し作業を機械化した技術です。

ジャイアントタンパー工法
SCP船のケーシング先端に鋼製タンパーを取り付け、バイブロハンマーの振動で捨石マウンドを均一に締め固める工法です。
施工実績

境港外港中野地区岸壁(-12m) 築造工事(その2)
鳥取県 境港市

秋田港外港地区防波堤(第二南)築造工事
秋田県 秋田市